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東京都現代美術館
東京都現代美術館
〒135-0022 東京都江東区三好4-1-1(木場公園)


ネオ・トロピカリア:ブラジルの創造力」展

When Lives Become Form
― 生きることはアートそのものだ ―


会期:2008 10/22(水)〜2009 1/12(月・祝) 展覧会は終了しました。
会場:東京都現代美術館 企画展示室1F・3F、アトリウム
休館日:月曜日(ただし 11月3日、24日、1月12日は開館、11月4日、25日は休館)
年末年始休館:12月28日→1月1日
開館時間:午前10時→午後6時(入場は閉館の30分前まで)



いままで知られていなかったブラジルの魅力:圧倒的に自由な表現

ブラジル、サンバとサッカーが盛んな国。巨大なアマゾン、バイオ燃料の開発などエネルギー問題やエコロジーなど未来に向けて大きな役割を担う国。多くの移民を受け入れ、ハイブリット文化を生み出しているこのユニークな国は今もっとも熱い視線を集めています。そして魅力的なブラジルの表現は、豊かな色彩やしなやかで有機的な形に溢れ、「生きることの喜び」を伝えていることです。カーニバルやサンバ、音楽で知られるように、ブラジルの表現は、ストリートの人々の生が即興的に、そのままリズムや形になったかのように見えます。

「新鮮で鮮やかな色の体験」
この秋、東京都現代美術館は「ネオ・トロピカリア:ブラジルの創造力」展で、このブラジルの創造力を27組のアーティスト、クリエイターの作品を通じて紹介いたします。ブラジルは60年代に欧米文化から脱し、独自の文化の創造を目指し「熱帯に住む者の文化のオリジナリティ」をうたった、トロピカリアという芸術運動が興りました。「形式よりも喜びを伝える『生きられた場所』を目指すファンタスティックな即興の産物」であるファベーラ(スラム街)からインスピレーションを得たアーティスト、エリオ・オイチシカ。彼がサンバ・ダンサーのための色とりどりの布を合わせてつくったケープのような《パランゴレ》は着る絵画であり、その象徴と言えます。
「ブラジル社会で熟成した日本人のユニークな創造性の発見」
アート、建築、ファッションなどで活躍する日系人アーティスト。21世紀のトロピカリアーブラジル移民100周年、「日本ブラジル交流年」を記念して開催される本展は、遠くて近いパートナー日本へむけた、ブラジルからの「元気をもたらす贈り物」となることでしょう。日系1世から3世までにわたる世代の多様な作品を紹介します。


「ネオ・トロピカリア:ブラジルの創造力」展―その中から6作品を紹介します。


・画像をクリックすると大きな画像で、ご覧いただけます。

Ruy Ohtake ルイ・オオタケ(日系2世)「エリオポリスにおけるアートプロジェクト(進行中)」

Ruy Ohtake ルイ・オオタケ(日系2世)
「エリオポリスにおけるアートプロジェクト(進行中)」
2005年
写真
Photo: Daniela Schneider
1938年サンパウロ生まれ、同地在住の建築家。画家トミエ・オオタケの長男。
1960年サンパウロ大学卒業後から建築家として活躍をはじめ、数々の賞に輝く。コンクリートやカラフルな材料の使用、意外性のあるライン、曲線が特徴。2004年からはサンパウロのファベーラの一つ、エリオポリスの改装計画をはじめる。図書館、美術教育、映画館などを含む、街ぐるみのプロジェクトであり、2005年には278軒の住宅のファサードを住民と一緒にペイントした。今回の展示では、このプロジェクトを写真とヴィデオのドキュメンテーションで紹介する。


Beatriz Milhazes ベアトリス・ミリャーゼス《メガ・ボックス》

Beatriz Milhazes ベアトリス・ミリャーゼス
《メガ・ボックス》
2008年
ミクストメディア、コラージュ/紙 101x101cm
Photo :Fausto Flelury
Courtesy: Galeria Fortes Vilaça. São Paulo

1960年リオ・デ・ジャネイロ生まれ、同地在住。
1980年代から草花や装飾文様をモチーフにしたカラフルなパターンを地の上に配置していく絵画を制作している。そのトロピカルなコラージュの多彩さと構成の緻密さは高い評価を受け、ステンシルを使ったシステマチィックな方法は日本の染色にも通じる。第50回ヴェネチア・ビエンナーレ(2003)をはじめとして多くの国際展に出品。近年は、地下鉄ホームやデパートの外壁など、建築空間へとその活動を広げている。 本展では、コラージュをもちいた新作絵画を展示するほか、エントランスのガラス面に幅18メートルの色鮮やかなインスタレーションを制作する。


Emesto Neto エルネスト・ネト《リヴァイアサン・トト》

Emesto Neto エルネスト・ネト
《リヴァイアサン・トト》
2006年
収縮性のあるチュール、発泡スチロール玉 サイズ可変
パンテオン(パリ)での展示風景

Photo: Mark Domage
Courtesy: Galeria Fortes Vilaça. São Paulo

[参考図版]
1964年リオ・デ・ジャネイロ生まれ、、同地在住。
薄く伸縮性のある布を用いた有機的な造形のインスタレーションで知られる。鑑賞者を包み込むような空間と素材は、視覚のみならず触覚、嗅覚にも訴えかける。多くの国際展に出品、丸亀市立猪熊玄一郎現代美術館での個展など日本でも多数紹介されている。 本展では、高さ19メートルの吹き抜け(アトリウム)に白い布が垂れ下がるインスタレーションをおこなう。この作品は、重力と物質、理性と情動、自然と文明といった対比をテーマにパリの歴史的建造物パンテオン内部を覆い話題となった《リヴァイアサン・トト》を基にしている。


Tomie Ohtake トミエ・オオタケ(日系1世)《無 題》

Tomie Ohtake トミエ・オオタケ(日系1世)
《無 題》
1989年
油彩/カンヴァス 180.5x170.5cm
Courtesy: Museu de Arte Moderna de São Paulo
1913年京都生まれ、1936年にブラジルに渡る。サンパウロ在住。
50年代から円や幾何学的なフォルムを中心とした抽象画を制作。油彩のほか版画、彫刻、舞台美術、パブリックアートなども手がける。1961年にはサンパウロ・ビエンナーレに出品。1983年にはサンパウロ美術館で個展、1988年には原美術館で個展を開催。現在も意欲的に制作活動を続けている。2001年にはサンパウロ市内に彼女の名を冠したトミエ・オオタケ・インスティチュートが設立され、現代美術の企画展や教育プログラムを開催している。


osgemeos オスジェメオス《操り人形が話さなかったショー》

osgemeos オスジェメオス
《操り人形が話さなかったショー》
2007年
ミクストメディア/カンヴァス 220x180cm
Courtesy: Galeria Fortes Vilaça. São Paulo
1974年サンパウロ生まれ、同地在住の双子の二人組。
「オス・ジェメオス」とは、ポルトガル語で「双子(the twins)」を意味する。自分たちの住む街の壁に落書き(グラフィティ)を描くことからスタートした。彼らの描く独特の黄色い顔の人物は現代のブラジル社会を反映する一方、そこに彼らの空想世界が加わることで地域性を超えた幻想が生み出される。ドイツ、ニューヨークやオランダなど国内外の美術館やギャラリーでの発表の場を得るようになることで、タブローや立体作品も制作するようになる。本展では、3週間滞在し、新作を制作する。

Jum Nakao ジュン・ナカオ(日系3世)《見えないものの縫製》

Jum Nakao ジュン・ナカオ(日系3世)
《見えないものの縫製》
2004年
植物紙
photo: Sandra Bordin
1966年サンパウロ生まれ、同地在住の日系3世のファッション・デザイナー。
東洋的な流動的非物資的な美学によって、90年代後半からブラジル国内での評価を得、2004年にはナイキがスペシャルラインの制作を依頼するなど、世界的注目を浴びている。今回出品されるビデオは2004年6月にサンパウロ・ファッションウィークでのパフォーマンス「見えないものの縫製」のドキュメンタリーである。19世紀の衣装に着想を得て植物紙で作ったドレスによるコレクションは、劇的な終幕をもって,今世紀を代表するショーの一つと評価されている。

関連イベント
アーティスト・トーク

10月22日(水)18:00〜20:00 ベアトリス・ミリャーゼス他
10月26日(日)15:00〜16:00 オスジェメオス

エデュケーション・プログラム
親子で楽しむギャラリー・クルーズ(体験型の鑑賞ツアー)
                       12月6日(土)、7日(日)13:00〜15:00小学校3〜6年生とその保護者対象

ガイドスタッフによるハイライトツアー
11月1日(土)〜2009年1月10日(土)以降の毎週土曜日(2009年1月3日(土)を除く) 15:00〜16:00


MOT美術館講座「生きることの喜び」―ブラジルの”LIFE”を見つめて
11月22日(土) 講師:今福龍太(文化人類学者)
12月14日(日)「ブラジルファッションの現在(いま)」講師:長井美樹(PR01.事業部 アカウントディレクター)
12月20日(土)「ミクスチャー文化の果実・ブラジル音楽の喜び」講師:中原仁(音楽プロデューサー)
2009年1月12日(月・祝)「“カポエィラ”体験会」講師:八谷和彦(アーティスト)+南城充/カポエイラアシェーダバイア(カポエイラグループ)

参加費:無料
時間:各回とも15:00〜16:30(開場は14:30)
会場:東京都現代美術館 地下2階 講堂
*定員200名・当日先着順
*詳しくは公式HP http://www.neo-tro.com/

※イベント、プログラムの詳細に関しましては、東京現代美術館までお問合せいただくか、公式ホームページ
(http://www.neo-tro.com)をご覧ください。

展覧会カタログ
「ネオ・トロピアカリア:ブラジルの創造力」
株式会社エスクァイア マガジン ジャパン
2008年11月下旬刊行 価格:2,625円(税込)


同時開催
会期:2008年10月22日(水)〜2009年1月12日(月・祝)
「森山大道 ミゲル・リオ=ブランコ 写真展−共鳴する静かな眼差し」 企画展示室B2F
「カラーハンティング ブラジル―藤原大+イッセイ ミヤケ クリエイティブ ルーム & カンバナブラザーズ」 企画展示室1F
「MOTコレクション サヴァイヴァル・アクション―新収蔵作品を中心に」 常設展示室1F、3F
「MOTxBloomberg Public ‘Space’Project―Louisa Bufardeci」 エントランスロビー

問合せ:03-5245-4111(代) 東京都現代美術館
参考資料:「ネオ・トロピカリア:ブラジルの創造力」Press Release・東京都現代美術館


主催:財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館、
駐日ブラジル大使館:Embassy of Brazil in Tokyo,、日本経済新聞社

認定:日伯交流年認定事業、(社)企業メセナ協議会
助成:芸術文化振興基金
協賛:新日本製鉄株式会社、USIMINAS
特別協力:サンパウロ近代美術館(MAM-SP)
協力:エールフランス航空、日本航空、株式会社中川ケミカル、株式会社エコビジネス、
NECディスプレイソリューションズ、MTN by montana colors、AMBlabor,INC、
アッシュ・ペー・フランス株式会社、株式会社ラティーナ、日本ヒューレット・パッカード株式会社、
後援:日本テレビ放送網
展覧会公式HP:http://www.neo-tro.com

東京都現代美術館
〒135-0022 東京都江東区三好4-1-1(木場公園内)

お問合せ先 Tel: 03-5777-8600 (ハローダイヤル)
/03-5245-4111(代表)


一足お先に正月気分“ジャンボ・カルタ”を作ろう!

常設展示室の作品を鑑賞し、お気に入りの作品をさがしてください。
作品の印象や感じたことから“ジャンボ・カルタ”を作成。
完成したカルタを使って、ジャンボ・カルタ大会を開催します。
一足先に、お正月気分を味わってみてはいかがですか?
皆さま、ふるってご参加ください! !

日時:2008年12月23日(火・祝) 10:30〜15:30
対象:小学生三年生〜大人まで(家族参加可) 15組
開催場所:東京都現代美術館(講堂:常設展示室)
参加費:無料
内容:現代美術の展示作品の中から、参加者の方が選んだお気に入りの作品をもとに、ジャンボ・カルタ(72.8cmx130mの大きさです!)を制作、その後カルタ大会を行います。
応募方法:FAXまたは往復はがきで
1、お名前(参加者全員)
2、お子様の学年
3、ご住所
4、電話
5、ファックス番号
を下記までお送りください。応募者多数の場合は、抽選。
送り先:東京都現代美術館 FAX03-5245-1141
〒135-0022 江東区三好4-1-1 東京都現代美術館「ジャンボ・カルタ」係
締切:2008年12月16日(火)必着

*この日に制作したジャンボカルタは、お正月開館中の1月3日(土)に実施予定の一般参加“ジャンボカルタ大会”でも使用させていただきます。
問合せ:03-5245-4111(代) 東京都現代美術館


ご意見ご感想は  yashio@mui.biglobe.ne.jp

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